ひつまぶしの食べ方

3つの食べ方を楽しみましょう。

食べ方講座

ひつまぶしの正しい食べ方はうな重に比べてかなり複雑でユニークなので、予備知識もなくひとりで食べに行ってもその魅力を理解できないかもしれません。お茶漬けって話しだし薬味とお茶をかければいいんだよね、といきなりドバッとお茶をかけるのは間違いです。人づてに聞いたり噂だけで知ったつもりになっている方に多いのですが、決してひつまぶし=鰻のお茶漬け、と安易に考えてはいけません。一番インパクトのある部分がお茶漬けかもしれませんが、これはひつまぶしを構成する1つの要素でしかありません。そして結果的にこれが一番おいしいと感じるかもしれませんが、いきなりではいけません。和食には形式・過程を楽しむことも重要なのです。ここではひつまぶしの正しい食べ方を解説しますので、これから人生初ひつまぶしに行こうと考えている方はぜひ熟読して頭に入れておいてください。

まずは4等分

最初にやることはまずお櫃に入ったひつまぶしを4等分に分けることで、それを4回に分けて食べていくことになります。普通のうな丼なら丼に鰻を載せてそのまま1杯で食べるのですが、ひつまぶしはお櫃に茶碗3杯分程のひつまぶしが入っています。最初の1杯目はそのままお茶碗にとって食べますが、これは鰻が細かく刻んであるうな重のようなものでしょう。正直これだけでも充分においしく食べることができます。

次は薬味をのせて

2杯目はその上に薬味をのせて食べます。この段階で初ひつまぶしの方なら初めての味になるでしょうが、うな重とは一味違った風味を楽んでください。薬味はネギ・海苔・ワサビなどがありますが、用意されている分をここで全て使いきってはいけません。その理由は最後まで読んでいただければわかると思いますが、この後にまだ3~4杯目があるからです。

いよいよお茶漬け

3杯目は名古屋グルメひつまぶしの真骨頂、お茶漬けです。2杯目と同じように薬味を載せたら、用意されたお茶(だし汁)をかけて食べます。間違って湯飲みに入った普通のお茶を使ってはいけません(それでは味が薄すぎます)。このお茶の味は店によって違いますが、昆布茶だと思っておけばよいでしょう。最初は鰻にお茶をかけることに抵抗があるかもしれませんが、ご飯に馴染んだ細かく刻まれた鰻とだし汁の相性は抜群で最高で、まだこれを知らない人に勧めたくなるおいしさです。3杯目になりお腹もふくれた頃、お茶漬けで流れるように食べさせてしまう見事な戦略にも感服です。ここまで3杯、3通りの食べ方をしてきたわけですが、最後の1杯はその中で気に入ったものを選んで食べることになります。とはいってもうな重ではなくひつまぶしを食べにきたわけですし、選択肢はあってないようなものでしょう。当然ですが4杯目の一番人気はお茶漬けです。