名古屋グルメ(和食)のひつまぶし

ひつまぶし発祥の地は愛知県名古屋市!?

ひつまぶし

名古屋めしでも一番人気のある「ひつまぶし」。一度は食べたことがあるという人も多いのではないでしょうか。特に夏は開店前から長蛇の列ができる有名人気店もいくつかあり、有名人も名古屋に来た際には必ず寄るといったお店もあるほど。うなぎはビタミンが豊富で、夏バテにはもってこいの食べ物。ひつまぶしを食べたことがない方は、ひつまぶしの魅力を知って、一度食べてみてはいかがでしょうか。

名古屋のひつまぶし

天然の鰻は名古屋市の木曽川で手に入りやすいということもあり、ひつまぶしは昭和20年代からこのあたりの和食屋・料理店で出されてきました。ひつまぶしは鰻の蒲焼を細かく切っており、名古屋でひつまぶしがメニューに載っているお店で注文すれば当然1人分の鰻とご飯、薬味が出てきますが、当時の形式は会席の締めに大きなお櫃(ひつ)の中に人数分のご飯と鰻の蒲焼きを入れて混ぜ合わせたものを出し、それぞれのお茶碗によそって食べていました。お酒とおつまみを楽しんで締めにお蕎麦、飲み会の後に食べるラーメンのようなものでしょうか。ですがご年配の方などはお酒が進んでいろいろとつまんでいるとお腹も膨れ、最後に鰻を食べられないこともあったようです。そこでできるだけ食べやすいようにと試行錯誤し改良を重ねて考え出されたのが、このひつまぶし、つまりお茶漬けなのです。

土用の丑の日

食べやすさを追求して考案されたひつまぶしは、食欲の落ちる暑い夏にもサクサクといけるので土用の丑の日とも相性が良いでしょう。食の細い人でも食べやすいように細く刻んだ鰻と独特の臭いを消すために出汁の入ったお茶で作るひつまぶしなら、きっと朝からでも食べることができます。夏バテを回復するスタミナ料理としても滋養強壮の効果を持つ鰻を使ったひつまぶしは優れているのです。赤福やういろう、きしめんなども名古屋市グルメとして有名ですが、その枠を超えた素敵な魅力をひつまぶしは持っています。地元の人達は当然ながら日常的に食べているものですし、名古屋に来た記念に食べていこうか、だけではなく、疲れやすい人やグルメを自負している方、和食にはうるさい方なんかにも定期的に味わっていただきたい一品です。

名古屋市から全国区へ

初めてひつまぶしを見ると、どうして焼きたての鰻にお茶を掛けちゃうのか、せっかくの香ばしい鰻が台無しになってしまうのに、と驚く方もいます。名古屋グルメとしてテレビ番組でも幾度となくとりあげられてきましたが、もったいない、何を考えているんだ、といった反応が多かったのは事実です。そうそう鰻を食べる機会のない地域では鰻を味わって食べたい、という思いからこのような発想は考えられないのでしょう。身近に鰻がある名古屋だからこそ鰻のお茶漬けが産み出されたともいえます。鰻の産地であるがゆえ、土用の丑の日にしか食べないものでもなく、ちょっと豪華な外食としてちょくちょく鰻は選ばれるのです。ですがテレビで紹介されるうちにそのおいしさに気付き、グルメに定評のあるタレントが絶賛するようになると、この名古屋グルメも全国的に認知されるようになっていきます。今ではこのメニューを載せている鰻屋・和食屋は愛知県に限らずあちこちにあり、どこでも気軽に(お値段さえ気にしなければ)食べることができます。